極ウマ・プレミアム-コラム-女性厩務員のできるまで

極ウマ・プレミアム-コラム-女性厩務員のできるまで

女性厩務員のできるまでとは
坂井千晃(さかい・ちあき)京都市生まれ。中学時代に競馬に出会い、高校在学時に京都競馬場乗馬センターで乗馬を始める。卒業後、北海道静内にある、へいはた牧場で3年半修業し、競馬学校に合格。04年からJRA栗東トレーニングセンター昆貢厩舎で、調教厩務員、調教助手として12年以上働き16年に退職。

女性厩務員のできるまでの掲載例
皆さんいかがお過ごしですか? さて、ここ何回か担当の娘ちゃんのお話をしてきました。すると「息子ちゃんの話はないの?」と質問を受けました。厩務員さんをしてきた約12年で息子ちゃんとコンビを組んだのが数えるほどしかなく、8割方相方は娘ちゃんでした。

 基本的に担当を決めるのは指揮官である調教師さんです。その馬の性質、性格を考えて担当者を決めてはるんやと思います。そうして決めはった子に女の子が多かったという事なんやと思います。

 そうして決まった相方と毎日過ごしているからなのか、何となく担当する娘ちゃんと私は「よく似ている」と感じることが多かったですね(よく似てくるが正しいかもしれません)。どの娘ちゃんも共通して「似てんなー」と感じた事は「負けん気の強さ」でした。

 まー、気が強い(もちろん私もですが・・・)。人間の女子ならモテないで、とよく言っていたものですがそれが競馬に行くと「いい根性」として発揮されているように感じました。

 コンビを組んだ最初のうちは警戒心も強いのでお互いツンツンしていますが、毎日一緒にいて心を開いてくれると、ほんまに子供のようになついてくれるし、足音だけで私が来たことを察して鳴いたりします。

 そうなるとかわいくて、かわいくて家に帰りたくなくなって、ずっと厩舎に居座っていましたね。

 息子ちゃんは息子ちゃんでかわいいんですが、なつくという愛情の表し方が激しくてどちらかと言うと「じゃれる」に近く、何度かつぶされそうになりました(基本的に私の相方はおとなしい坊ちゃんがつとめてくれていましたけどね)。担当した数は少なかったですが、重賞に連れて行ってくれた息子ちゃんや、奇跡のようなレースをしてくれた息子ちゃんがいましたね(彼らの話もまたいつか聞いてくださいね)。

 結局のところ私は、男の子、女の子関係なく「馬」が好きなんですよね。そんな私ですが、実は人間の女性が苦手でした(イケメンは好きですが・・・って何の告白やねん)。

 数が少ない女性厩務員さんの世界で、最初は全く輪に入ることができませんでした。これは私の勝手な思い込みやったんですが、女子は集団でキャッキャッして、ベタベタする付き合いをしなくてはならないと思っていたのです。私は昔から自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのが苦手で、ペースを乱されると機嫌が悪くなるところがありました。簡単に言うと超自己中です(笑い)。騒いで遊べる男友達といる方が気楽だったので、男友達の方が多かったです。

 そんな私が最初に仲良くなった競馬界の女友達が「西原玲奈」ちゃんでした。

 彼女との出会いは共通の友人の紹介で、まだトレセンに入って右も左もわからない私に彼女は優しくしてくれはりました。

 玲奈ちゃんとは歳が一緒でしたが、トレセンには私よりも4年も早く入っていて大先輩。その上、騎手として表舞台で戦っている人で、社会人になりたてでガキンチョな私とは比べものにならないくらいの大人でした。

 当時私はトレセンで働けばすぐに勝てる、重賞にいける、なんてとんでもない勘違いをしていました。思い描くように簡単には勝てず(当たり前。今はそれが大変なことだとわかっていますよ)当時物事を相当ネガティブに考えがちだったので、玲奈ちゃんに相当愚痴っていたように記憶しています。彼女は言いたいことも沢山あったやろうけど、いつも黙って聞いてくれてはりました。自分もきっと大変な時やったと思いますが、私がどんなにひどいことを言ってもいつも寄り添ってくれはりました。

 彼女のすごいところは「芯の強さ」。男の人がお手上げ状態のやんちゃな馬でも黙って乗ってくるところなんてほんまかっこいいと思います。大ケガをしても笑顔で「命にかかわるケガちゃうし」と言って1日でも早く復帰しようと努力をやめないところ(私ならすぐ弱音をはきそうなリハビリも黙々とこなしはります)

 そして自分の調教する馬にとって何が一番かということを常に考えていること。私の担当馬を調教してくれてはった時も常にその子の性格に寄り添ってくれはりました。

 やっぱりそこまで考えてくれてはると思うと担当者としてはうれしかったし、その馬について2人で語り合う時間が大好きでした(今も彼女と馬の事を話す時間は大好きです。最近は老後の話もしますけどね)。

 私が最後の競馬で勝った時も一番に「泣いてるやろ? おめでとう」とメールくれる優しい人。彼女と話しているとすごく勉強になるし「私も頑張らないと」と思うことが多いです。仕事だけでなく女性としてもすてきで、読書が好きで物知りで料理上手で・・・ほんま私と逆で仕事しながら色々こなせる彼女を尊敬しています。

 皆で集まる時も彼女がまとめてくれないと、何も前に進みません。これだけ褒めたし、今度ごちそうしてね、玲奈ちゃん(笑い)。彼女は調教助手さんとして今も馬と向き合ってはります。ほんまにカッコイイ大好きな女友達です。

 玲奈ちゃんだけでなくトレセンで働いてはる女性は男前(って言ったら怒られるかしら?)やけど、女性らしい細やかな心配りがあってすてきです。そんな先輩方に出会えて私の女子に対する勝手な先入観はなくなりましたし、今となっては女性厩務員の方達と過ごすのが楽しくて仕方ないです。

 厩務員さんとして働いている女性の事を、皆さんが知る機会はなかなかないですよね。玲奈ちゃんの魅力だってほんまはもっともっともーっと書ききれないほどあるんです。今、藤田菜七子さんがJRAの騎手として紅一点頑張ってはります。彼女が頑張ってくれてはることで競馬界で働いている女子の存在を少しでも知ってもらえたら、競馬界を目指す女性が少しでも増えたらいいなって思います。

 私もお馬さんのエピソードだけでなく、すてきな女性厩務員さんたちの事も書けたらと思っています(なので、先輩方ご協力よろしくお願いしますよー)。このコラムでより一層、競馬や馬を好きになってもらえるように頑張ります。

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